行政書士に登録しました

段階を踏んで進化していきたいと思います。まずは行政書士に登録しました。

入管業務、はじめに思うこと

これまで、十数回ほど、国際業務、すなわち、在留資格申請や帰化申請について、主に法制度の改正内容を書いてきました。

その過程で、この問題を扱っている何人かの方の本も読みました。

もともと、この申請自体、外国人本人でもできるような仕組みになっているのですが、うまくいかないケースが相当数あって、そのような場合に行政書士に依頼がきて、申請手続きのサポートをするという流れになっています。

表現の仕方は少しずつ違いますが、本を書かれている著者の皆さんは、そのようなややこしい入管手続きを数多く経験された上で、自分のところは一見難しいケースもうまく処理できるノウハウがあるように述べています。

たしかに、日本の各種法手続きに不慣れな外国人が自ら書類を書くのですから、単純なミスや書き足りないこともあるものと思います。

また、審査官相手ですので、心象を良くする書類を作成することで申請者の本質を見ていただき許可に漕ぎ着けるというケースもあるものと思われます。

そのようなシーンはこれまで繰り返されてきたことだと思いますし、そこに行政書士の役割が発揮できたのだと考えられます。

ただ、これからはかなりのスピードで変化するのではないかという気がします。ほかの行政手続きはどんどんデジタル化、オンライン化が進んでいます。

入国の際に相手国から事前にデータがきて、日本側でもコンピュータに保存されてしる情報と照らし合わせて許可・不許可を瞬時に判定するようなことは十分可能だと思われます。

特に、これまで実際にあったような偽装結婚や悪徳ブローカーが介在して不正に入国させて低賃金で外国人を使い捨てのように使う、というような光景は、アナログな審査手続きとうらおもての関係のように思われます。それを無くする方向でいろいろな策を行政側も考えています。

一見グレーゾーンのような案件をうまく書類を作ることによって限りなくシロに仕立てる、といったようなことが「行政書士」の仕事だとするならば、そのような領域はどんどん削減していくのではないかと思います。

インバウンドすなわち観光などの目的で日本を訪れる外国人は急激に伸びています。今度は「特定技能」という制度を設けて、様々な産業分野で労働力が不足するのを外国人で補おうという政策です。

受け入れる日本人のほうも賛否両論あるでしょうし、この制度が本格的に動き出すと、単に仕事の範疇を超えて、日本社会にいろいろな影響も急に出てくるのではないかと懸念されます。

行政書士法は第1条に「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資することを目的とする。」と歌っています。

「業務の適正化」、「国民の利便に資する」ということに照らし合わせると、グレーな事案を押し通すことが行政書士の役割ではないでしょうし、無理を通して国民全体の社会生活に悪影響を及ぼすようなことに加担すべきではないように思います。

誤解をおそれずに書くと「行政書士は入管手続きにあっては、不許可の案件を必要以上に許可にもっていくように働くのを控えるべきではないか」ということになろうかと思います。

まだ、この分野の仕事を受けてない立場で思ったことです。数年して、手垢にまみれた時にも同じ心境で業務をこなしているか自分自身を検証していきたいと思います。