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給与のデジタル払いとは

新型コロナ対策が加速させている面がありますが、いろいろな方面で「デジタル化」が進んでいます。オフィスや会議のリモート化がそうですし、行政手続きから印鑑を無くすという動きも進展しています。

昨日の新聞によると、今度は、「給与のデジタル払い」ということがとりあげられていました。外国と比べて、日本は毎日のお買い物では現金が使われることが多いと言われてきましたが、新型コロナの影響で支払い時の接触時間を減らす、あるいは、コインやお札であっても、「もの」を手渡す際に感染のおそれがあるということもあって、昨年、「○○ペイ」というものがずいぶん普及しました。

そのような状況が背景にあり、会社が給与を支払う際に、現金や銀行口座振り込みではなく、「○○ペイ」で支払われるという方法もこの春から解禁されるということです。

新聞記事で初めて知ったのですが、今でも、「給与については労働基準法が労働者保護の観点から遅れなどがないよう通貨で直接、労働者に全額払うこと」が原則になっており「例外的に銀行振り込みを認めてきた」という建前になっています。

一方、「○○ペイ」を扱う事業者は「銀行」というくくりではありません。「資金移動業者」という分類だそうです。スマホを使ってQRコードを読ませれば決済ができるという仕組みができたとして、「個人情報保護や資金保全などでの基準を定め、安全性を担保できるか」が問題になります。

「政府は安全基準をみたした企業に限ることで理解を得る方針だ。3月末にも労基法に基づく省令を改正し、資金移動業者も例外的に認める対象に加える」というところまで進んでいるようです。

今、「○○ペイ」を使っている人のなかには、直接、現金をチャージした人もいるかもしれませんが、多くは銀行やクレジット会社から「○○ペイ」にお金を移して使っているのではないかと思います。新しい方法は、会社から銀行を介さずに、直接、「○○ペイ」にお金が移動することも可能ということになります。

これがどれだけ便利なのか、中国では、街中の露天商の支払いも「QRコード」決済でできるということですが。「○○ペイ」は現金決済にはない、ポイント還元などのサービスがあって普及を促進したようで、QRコードを月1回は利用したことがある人は2020年9月に3000万人を超えた、2018年12月の300万人超から10倍に達したということです。

小口の支払い場面では、これからもこの方法が増えていくものと思われますが、車や家を買う場面でも「○○ペイ」で支払うことになるのかどうか。なにしろ、給与は銀行にはなく、「LINEペイ」や「楽天ペイ」に置いてあるということになったら、数百万の支払いも「○○ペイ」で行わざるを得ないということに発展します。

「銀行のビジネスモデルが揺らぐとの見方がある。たとえば新卒社員は入社時に銀行口座を作り、そのまま利用し続ける人も少なくない。銀行口座を作らず、デジタルマネー支払いを選ぶ人が増えれば、銀行の顧客基盤が縮小する」とまで予測する人がいますが、百年間続いてきた「銀行」という制度が崩壊することになるのか、デジタル化は、なかなか、世の中を大きく変革する力を持っているようです。

(公開されているスタジオジブリの「思い出のマーニー」からイラストをいただきました。本文とは関係ありません)

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